めだかの国の教育
めだかの国では、1人1人の長所や短所は生まれ持った個性であると考えられている。そして、長所は成長させていくもの、短所は社会全体の課題として考える。めだかの国の教育は、子供たち1人1人の専門性を引き伸ばし、また、社会をよりよくするために行なわれる。
めだかの国の教育は、子供の学習スピードに合わせて段階的に進んでいく。第一段階では、親や周りの教育者たちが、その子供が何に対して積極性を持っているかを見つける。第二段階では、それが今後社会のためになると考えられれば長所と捉え、成長させる時間や機会を増やす。社会のためにならないと考えられれば、その行動をする理由を見つけ、しないように対処する。
第三段階からは、専門分野に別れ、仕事の権限を与えられる。仕事は、他の専門に所属する人から、自身の専門に関して段階に合った仕事を受けることができる。第四段階からは本人の希望に合わせて、指導の機会を与えられる。指導は、その専門の下位の段階を学ぶ者に対して学習内容を教えることができる。同じ専門内での仕事は上位の者から下位の者に与えられ、下位の者は指導という形でその仕事を受けることができる。これにより、人々はその専門に身を置きながら、自由に学習・仕事・指導の機会が与えられることになる。例外として、研究がある。研究は、その専門の未開の分野を開拓することであり、ある人物の頭の中に浮かんだ疑問から始まる。その疑問がそれより上の段階の者に答えられない内容であった場合、研究の権限を与えられる。研究によって新しい発見をした場合、その内容のレベルに合った学習段階のカリキュラムに組み込まれる。そして発見者はその研究内容の第一人者となり、さらなる研究の権限が与えられる。
1つの専門に身を置く中で、本人が他の専門に興味を持った場合、2つ目の専門を選択することができ、第二段階から進めることができる。1人が取り組める専門の数に限りはなく、学習・指導・仕事・研究の機会をいつでも自由に選択できる。
そのため、あらゆる分野の学習に精を出して生きる辞書のようになる人もいれば、仕事を沢山受け持ち様々な分野の発展に寄与する人もいる。 遊ぶことは第二段階である。あらゆる分野において第三段階に進まずに第二段階に留まればずっと遊んでいられる。